今年の冬は寒かったですね~。
みなさんは風邪などひかれずに、元気にお過ごしですか?
フランスも1月末から寒波が来て、南のマルセイユでも雪が降ったとのこと。
パリでは、氷点下10度まで気温が下がることも珍しくなかったそうです。
暖かい春が待ち遠しいですね☆
セーヌ川に架かる、パリ市内30本の橋を追っていくこの連載。「ベルシー/オーステルリッツ駅地区」シリーズ・2回目の今回は、トルビアック橋を渡ります。どうぞご一緒くださいませ。
散歩するにはぴったりの右岸側
前回ご一緒したナシオナル橋から、西へ10分くらい歩くと、トルビアック橋に辿り着きます。この橋の辺りから西は、古い建物が1990年代に取り壊された結果、ガラス張りの近代的な建物が並ぶ地区になっています。
橋の名前は、フランク王国の初代国王クローヴィス1世が、496年に異教徒のアレマン族を制圧した「トルビアックの戦い」に由来しています。このクローヴィス1世は、フランク王国の首都をパリに定めた人物で、「最初のフランス王」とも言われています。
さて、トルビアック橋の東側(右岸側)は、パリの12区、ベルシー河岸になります。橋を渡るとすぐにあるのが、ベルシー公園。公園を右へしばらく行くと、地下鉄Cour Saint-Émilion(クール・サンテミリオン)の駅が見えてきて、駅前にはワインを貯蔵する倉庫を改造したショッピングモール「Passage St-Emilion」があります。ちょっとオシャレなお店が並んでいて、横浜にある赤レンガ倉庫だった場所を改造した界隈を思い出させます。
橋の先から公園を左に折れると、並木道が続き、やがてセーヌ川に架かるシモーヌ・ド・ボーヴォワール橋が見えてきます。上下二重になった、独特の姿をした歩行者専用の橋で、公園からは階段やエレベーターで直結しています。この橋を過ぎる頃、公園の端にあるベルシー総合体育館(Palais omnisports de Paris-Bercy)の屋根が現れます。ここではスポーツの大会だけでなく、有名アーティストのライブもやったりするので、日本で言うと武道館みたいな場所かもしれません。
左岸側は「よく学び、よく遊べ」?
トルビアック橋の西側(左岸側)は、13区のトルビアック通りに繋がっています。この通りを南西に進んでいくと、中華街に出ます。ここは、パリ市内だけでなく、ヨーロッパでも1番規模が大きい中華街です。
ところで、トルビアック橋から西側を見た時に、もしかしたら二つ、気になるものがあるかもしれません。
一つは右に見える、開いた本のような形をした、近代的な建物。これは、1994年に出来たパリ新国立図書館。それ以前は2区にあった国立図書館の蔵書や資料が全部ここに移されてきました。この図書館が出来たことで、この地区に様々な人が流れて来るようになり、次々に小ジャレた施設やお店が出来て、街の雰囲気が変わったんですね。
もう一つは、図書館の向かいの河岸に泊まっている、赤い船。これはバトファーといって、船内がクラブになっているんです。ライブが常に催されていて、船内にはレストランバーもあります。パリに行くクラブ好きの皆さんは、要チェックのスポットかもしれません。
図書館のほとんど向かいにクラブがあって、橋の向こうには緑の豊かな公園。ちょっと不思議なバランスにも思えますが、トルビアック橋の界隈は、どんな気分の人も満足させてくれる用意がある、とも言えるかもしれないです。
ベルシー橋へ
トルビアック橋、いかがでしたでしょうか。
次回は、トルビアック橋の北西に架かる、ベルシー橋を渡ります。
Pont de Tolbiac
トルビアック橋
竣工:1882年
長さ:168m
幅:20m
建築家:アンリ・プロスペ・ベルナール
形式:アーチ橋
素材:石
最寄駅:Cour Saint-Émilion駅(メトロ14号線)
付近の観光スポット:ベルシー公園、パリ新国立図書館、バトファ