ある姉妹が始めたカフェでおこる出来事を綴るみずみずしいエッセイのような作品。日本のタイトルは「カフェストーリー」だけれど、中国語の原題は「第36個故事」、直訳すると「36個めの出来事」。そして英語のタイトル「TAIPEI EXCHANGE」は「エクスチェンジ」すなわち物々交換のこと。
こんなにもまったく違うタイトルが着くのはなぜか。それは、3つのタイトルの理由となる物語の核があり、それぞれの国で異なるポイントに着目したからではないでしょうか。
日本版のタイトル“カフェ物語”は、ドゥアルという女の子が会社勤めをやめて、カフェを始めるところからスタートします。そこに手伝いにやってきた正反対の性格の妹チャンアルが、カフェで”エクスチェンジ”を始めます。
エクスチェンジとは、だれかが不要なものを、別の誰かが必要かもしれないということで、お店に置いていったものとものを交換すること。価格をつけて売ってしまうことは簡単ですが「それだけは絶対にしない」とチャンアルはかたくなに物々交換を貫きます。ドゥアルも賛同してお店には交換を待つものたちがどんどんと集まってきました。
ある日本人の男性は懐かしい音楽の教科書を見つけてどうしても欲しいけど交換するものがないからと歌を歌いますと提案する。本と歌、キーホルダーと”お話”など、オリジナルな尺度で測られた物々交換がカフェの独特な空気をつくりだしています。
ある日訪れた男性は35個のせっけんを持ってきました。せっけんは35の違う国のもの。違う国を訪れるたび、ひとつずつ買い集めてきたものだといいます。「このせっけんを買った国は……」とその男性は、ドゥアルにせっけんひとつひとつに込められたストーリーを話し始めます……。
台北のカフェに流れるゆったりとした時間を柔らかく描き出すのは、若手実力派の監督シアオ・ヤーチュアン(蕭雅全)、総指揮は『珈琲時光』でも知られるホウ・シャオシェン(侯孝賢)。この作品鑑賞券を5組10名にプレゼント。映画で午後のコーヒーを楽しみませんか。
『台北カフェ・ストーリー 』
(原題:第36個故事/英語タイトル:Taipei Exchanges)
監督・脚本:シアオ・ヤーチュアン(蕭雅全)
製作総指揮:ホウ・シャオシェン(侯孝賢)
キャスト: グイ・ルンメイ(桂綸鎂)、リン・チェンシー(林辰唏)、チャン・ハン(張翰)、中孝介(特別出演)
配給・宣伝:ユナイテッドピープル
2012年4月14日シネマート六本木 でロードショー
締め切り:2012年04月09日 (月)