モノクロの設計図が液晶のように輝く!
端正なモノクロの「鉄腕アトム」1/2スケール設計図面。これにUVライトを照射すると、なんとアトムの内部構造図面が極彩色で描き出される。しかも、その発色が面白い。言葉では表しにくいが、普通のカラー印刷と違って、まるで液晶モニターが光っているような輝きで見えるのだ。UV照射前の通常の光ではまったくなにもない部分が光るので、実に不思議である。
この作品は、手塚プロダクションが、2003年4月7日、「鉄腕アトム」の誕生日に記念限定販売した設計図、1枚は外観図、もう1枚は内部構造図、2枚のトレーシングペーパーの組み合わせでできた1/2スケールの設計図面をベースに、手塚プロダクションの正式許諾を受けて、最先端技術で特別制作されたものだ。

『鉄腕アトム1/2スケール設計図面 TL COLOR版』を通常光で見た場合

『鉄腕アトム1/2スケール設計図面 TL COLOR版』左の図面にUVライトを照射すると、アトムの内部構造図面が極彩色で浮かび上がる。
特殊なインク「TL COLOR」と高度なカラーマネージメントシステム
タカ マテリアル アンド システムズ研究所の取締役責任者竹本清彦氏によれば、こうした紫外線発光顔料、インクは他にもあったが、「TL COLOR」インクは驚くべき発光を誇り、通常光下で眼に見えない紫外線発光インクで初めて、高度なCMS(カラーマネージメントシステム)を開発、通常時は目に見えないインクの色再現性を確立したとのこと。紫外線発光インクのトータルソリューションシステムとしては世界初。また、印刷応用できる媒体が、紙、プラスチック、金属など広範囲に及び、活用方法も、インクジェット、オフセット、シルク印刷、さらに顔料を練り込んだ成形樹脂品も開発が完了しているという。
従来品は、紙幣をはじめとした様々な偽造防止、装飾においてはクラブやカラオケBOXなどで見られるブラックライトアートなどで使用されているが、ハイエンドな装飾や広告、アートに使用するには、色彩の再現性、クオリティ、生産安定性がおよばなかった。「TL COLOR」はこれらの既存インクの技術的問題をクリアした上に、革新的なCMSシステムを構築して、紫外線発光インクによる全く新しい世界観をクリエイティブデザインの世界に誕生させたといえる。使われる紫外線周波数は、375nmという比較的安全とされるUV-A領域のもの。今後、様々な分野での利用が検討されている。

アクリルのハイヒールを通常光で見ると……。

ハイヒールにUVライトを照射すると。
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また、この図面は、限定生産品として、50部の販売が計画されている。想定販売価格は『鉄腕アトム1/2スケール設計図面 TL COLOR版』と、UVLEDライトセットで、5,900円(本体価格)とのこと。